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部屋の中から窓の外を見る。
外は一面の星空が広がっており、明かりひとつないこの森では星明かりが眩しく感じられる。
そんな光景を眺めながら、少女はポツリと呟くように言う。
「……私も……いつか……」

「こーら、また夜更かししてるね?」
「ひゃっ!?」

突然背後から聞こえてきた声に驚き、ビクッと体を震わせて振り返るとそこには一人の女性が立っていた。
その女性は、少し困ったような表情を浮かべている。

「あ、星詠みさん、おかえりなさい」
「ただいま戻りましたよ~、って違うだろ?ちゃんと寝ないとダメじゃないか」
「だって、星詠みさんの話が聞きたかったんだもん……」
「うっ……そ、そうか……」

シュンとした様子で見上げてくる少女を見て、星詠みは言葉を詰まらせる。
そして観念したのか、軽くため息をつくとベッドの縁へと腰掛けた。

「仕方ないなぁ……。じゃあ今日は何の話を聞きたいのかな?」
「えっとね、えっとね!」

嬉しそうな笑顔を浮かべながら、少女は今日の話の内容を考え始める。
その様子を見て微笑ましく思いつつ、星詠みもまた優しい笑みを浮かべていた。
少女にとってこの時間は、とても大切な時間だった。
自分が知らない外の世界の事を聞ける事もあるが、何より大好きな人と一緒に居られるからだ。
この人が居る限り、自分は一人にはならない。
ずっと一緒に居てくれる、それがたまらなく嬉しいのだ。

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