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春の日

  • 執筆者の写真: 紀沙 冬宮
    紀沙 冬宮
  • 2024年11月12日
  • 読了時間: 1分

穏やかな日差しが差し込む。

隣に温かな熱を感じながら、今日も朝を迎えれたのを実感する。

腕の中では静かな寝息を立てる紀沙がいる。

以前に紀沙は食事も睡眠も呼吸も本来は必要としないと言っていたけれど、必要がないだけなんだろうと思う。


「ん……」


どうやら紀沙が起きたようだ。

彼はぼんやりとした表情でこちらを見ていたが、やがてゆっくりと手を伸ばしてきた。

その手は優しく頬に触れるとそのまま首筋をなぞり、胸へと降りてくる。

そして心臓の上に手を置くと安心したように微笑んで胸のあたりに頭を擦り付けてきた後、再び眠りに落ちていった。


「……まったく」


その仕草が妙に可愛くて、つい笑みを漏らしてしまった。

そして彼を抱き寄せてから、再び目を閉じた。

今日はこのまま二度寝でもしようか。

たまにはそんな日があっていいはずだから。

寝起き

あのときの感覚は未だに覚えている。 薄れゆく意識の片隅で思ったのは、僕は彼を信じていたんだという、思考だった。 *** ゆっくりと意識が浮上する。瞼を開けば、見慣れた天井。 いつもと違うところといえば、僕の視界に彼がいることだろうか。...

 
 

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