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交流 浮遊遊泳 冬宮紀沙+レオンさん



「あはは、ちょっと騒ぎ過ぎたなぁ。まあこっちが悪いからしょうがないね」

「元はと言えば貴方が私の話を聞かないからでしょう、フユミヤキサさん!」


夜中に話がヒートアップしてしまったせいで彼……レオンの同僚が駆け付け、厳重注意をくらってしまったのがさっきの話。

まあ、それは当然だろう。夜中に大声で騒いでいたら誰だって駆けつける。僕だってそうする。


「って言うか何でフルネームなのさ。冬宮でいいよ?」

「そこは普通、名前の方を呼ばせるんじゃないんですか」

「どっちも名前みたいなものだから」

「名前+名前……?どんな名前ですかそれ!?」

「騒ぐとまた怒られるよ」


先ほどよりは声を抑えて笑う。

元々彼と遭遇する予定ではなかったのでこんな時間だ。


「さて、そろそろ僕は帰るよ。君も、あんまり遅くまで起きてちゃだめだよ?」

「貴方みたいな子供じゃないんですから。そもそも貴方帰れるんです?」

「……僕ってそんなに子供に見えるかな。これでも君の100倍ぐらい生きてるんだけど」

「どう見ても子供です。私の身長を超してから……今なんて言いました?100??」


頭上で寝てしまったキキュイさんを彼に手渡す。


「じゃあまたね、レオンくん。今度は明るいうちに話せるといいな」

「あ、ちょっと!」


サッと手早く門の創造を展開する。

魔術式の向こうに見えた彼の表情が滑稽で笑ってしまったから、きっと次に会ったときは怒られるんだろうな、なんて僕は思っていた。

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